水辺の野鳥観察ポイント!エクリプス羽って何?
「eclipse(エクリプス)」とは英語で月食を意味し、エクリプス羽とは繁殖期以外のオスの地味な羽色のことを指します。
地球が太陽の光を遮って月が暗赤色に欠けてしまうことと、オスの鮮やかな羽色が落ち着いた褐色に変化する様子を重ねて名づけられたのでしょう。
繁殖期にかけて目を引く派手な羽色に生え変わるオスの羽色の変化も含めて、水辺の野鳥観察を楽しみましょう!
マガモ|カモ科カモ目
日本全国で見られる、もっともポピュラーなカモ。
オスの頭が青いことから、「青首(あおくび)」とも呼ばれるそうです。
家禽(かきん)のアヒルは野生のマガモがルーツで、マガモとアヒルの交配種をアイガモと言います。
コガモ|カモ科カモ目
その名の通り、日本で見られるカモの中では最小の種です。
他のカモに比べて警戒心が強いのか、観察しようとするとサーっと離れていってしまい距離を置かれることもしばしば…。
水面や潜水で藻や水草を頑張って食べる姿は可愛らしいですね。
ちなみに世界で一番小さいカモ候補として、ナンキンオシ(英名:Cotton pygmy goose)やクビワコガモ(英名:Ringed tail)、アフリカマメガン(英名:African Pygmy Goose)が挙げられます。
うーん。サイズ&重さ共に個体差レベルのようでこの種が世界最小!とはいえないのですが、日本で観察された最小のカモはナンキンオシのようです。
キンクロハジロ|カモ科カモ目
初めて目にした時、かっこいい〜!となったカモ、キンクロハジロです。
写真左の茶褐色の方はメスです。群れで泳ぐ姿をよく見ます。
キンクロハジロという見た目そのままの名前のカモ、一度みかけたら忘れられないですね。
似ているカモに、河口付近に飛来するスズガモがいます。
ミコアイサ|カモ科ミコアイサ属
別名「パンダガモ」。
カモ科アイサ属の仲間として6種いたようですが、そのうち2種は既に絶滅しており、日本ではウミアイサ・カワアイサ・ミコアイサの3種類が見られます。
アイサの仲間はクチバシの先端が内側に曲がっていて、クチバシのまわりはギザギザとしているので捕らえた魚を逃さない作りになっています。
ヒドリガモ|カモ科カモ目
全国でよく見ることができる、頭頂部のクリームカラーと赤茶色が目印(オス)のヒドリガモ。
植物食メインで食べます。水草や海藻、海苔を食べ地上の草もついばみます。
ホシハジロ|カモ科カモ目
漢字では「星羽白」と書きます。遠目では灰色に見えますが、よく見ると小さな黒い模様が細かくあり、それを星と見立ててこの名がついたようです。
オスのホシハジロは目の虹彩は赤く、メスは黒茶色のよくある目の色をしています。
トモエガモ|カモ科カモ目
ジョーカー顔のトモエガモ。肩の派手目な飾り羽がより一層ジョーカー感引き立てます。
「巴模様(ともえもよう)」が名前の由来になっており、頬の薄茶と緑が渦巻くように見えることからこの名がついたそう。画像で言うとこんな感じでしょうか。
ずっと見ていると分かる気がしてきませんか?
飛来数は少なく、有名な観測地に石川県片野鴨池が挙げられます。
オナガガモ|カモ科カモ目
写真左がメスと右が夏羽のオスです。徐々にオスもメスのような地味な褐色の羽色、エクリプス羽に変化していきます。
5月〜8月が繁殖期で、ユーラシア大陸北部、北アメリカ北部などで繁殖し日本にやってきます。
比較的人間を怖がらず、観察しやすい身近なカモと言えるでしょう。
ハシビロガモ|カモ科カモ目
写真はハシビロガモのオスです。特徴的な大きなクチバシが魅力的!
クチバシの中には非常に細い繊維状の歯が生えており、小さなプランクトンや草の実などをこし取るようにして食べます。
みなさんは大きなクチバシ、何に見えますか?
英名では「northern shoveler」といい、「shoveler(ショベル)」という単語が使われており、スペイン語では「pato cuchara」と「cuchara(スプーン)」という単語が使われています。
マガン|カモ科カモ目
成長はクチバシの付け根部分から額までが白くお腹部分のまだら模様も特徴的です。
家族の絆が強く、家族単位の群れで過ごします。
夫婦の結びつきも強く、一度つがいになるとどちらかが死ぬまで添い遂げるそう。
実は毎年新しいつがいをつくっているあのオシドリよりもオシドリ夫婦ですね〜。
まとめ
その他にも海に飛来するシノリガモやスズガモ、ホオジロガモ、コオリガモ、ヨシガモ、クロガモやオカヨシガモ、ハクガンなどなどが日本で見られます。
これからの季節、水辺では個性豊かなカモたちがたくさんやってきます!
寒くなるので防寒対策はばっちりし、色々なカモたちを観察しに水辺へ行きましょう!
身近で観察できる、日本にやってくる冬鳥についてまとめた記事も是非ご覧ください。